浮御堂の夜明け
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「浮御堂」の案内板より
片山津の伝説 竜神と娘
柴山潟が今よりずっと大きく、片山津の村がとても貧しかった時代の話です。
いつしか湖におろちが棲むようになりました。
夜中になると村人を襲ったり、近くの家を荒らすのもしばしば。困り果てた村人たちは
「何とか村をお守りください。」
と、お薬師様にお参りを重ねたのです。
それから何日かたった後、一人の美しい娘が倒れているのが見つかりました。
村人たちは心から看病をしたのですが、夜になると姿がありません。
娘はいつのまにか湖の畔に来ていたのです。
「あぶないっ。あんなところにいたらおろちに食われてしまう。」
村人たちがそう思った瞬間、突然おろちが大きな口を開き、湖面から現れました。
しかし娘は逃げもせず、手に持つ琵琶をかき鳴らし始めます。
それは大変うっとりする音色で、おろちの顔つきまで優しくなってしまったそうです。
「おまえは今、生まれ変わった。これからは竜神として村の守り神となれ。」
そう言うと娘は天へ、おろちは水中へと消え、二度と姿を見せませんでした。
その後、柴山潟から湯源が発見され、片山津は北陸屈指の温泉街へと発展しました。
湖にある浮御堂と竜神像は人々の感謝をしるして建てられたものです。
by fine4486
| 2014-04-20 20:11
| 川・沼・潟・池・湖